SAP-C02 上級 SAP

組織横断のイベント駆動設計 EventBridge・Step Functions・SQSで疎結合なワークフローを組む

SAP-C02を目指す方向けに、複数のアカウントやチームにまたがるシステムをイベント駆動で疎結合に統合する設計を解説します。試験では、単一のキューやトピックの知識を超えて、組織横断のイベント配信・長時間のワークフロー・失敗時の一貫性という要件からサービスを組み合わせる力が問われます。

覚え方:3つの役割で考える

イベント駆動の構成要素は「配る(ルーティング:EventBridge・SNS)」「ためる(バッファリング:SQS・Kinesis)」「進める(オーケストレーション:Step Functions)」の3役割に分けると整理できます。問題文の要件をこの3役割に対応づけて組み合わせます。

配る:EventBridgeで組織横断にルーティング

EventBridgeはイベントの内容(パターン)でルールに一致させ、複数のターゲットへ配ります。クロスアカウントのイベントバスにリソースポリシーを設定すると、各アカウントのイベントを中央のバスへ集約したり、中央から各アカウントへ配信したりできます。SaaSのイベント取り込み、スキーマレジストリ、アーカイブと再生(リプレイ)で障害後に再処理できる点もSAPの頻出論点です。単純なファンアウトで大量配信・モバイルプッシュが必要ならSNSが向き、SNSとSQSの組み合わせは古典的ですが今も有効です。

ためる:SQSとKinesisで負荷を吸収

消費側の処理速度が追いつかないときにイベントを失わないために、SQSでバッファリングします。順序と重複排除が必要ならFIFOキュー(メッセージグループIDでグループ内の順序を保証)、複数の消費者が同じデータを何度も読む・順序付きの大量ストリームならKinesis Data Streamsです。SQSは1つのメッセージを1つの消費者が処理し、Kinesisはシャード単位の順序と再読込みが特徴という違いを押さえましょう。

進める:Step Functionsで長時間・分岐・補償

複数のステップを順序どおりに実行し、分岐・並列・リトライ・待機を含むワークフローにはStep Functionsを使います。Sagaパターンでは、途中のステップが失敗したときに補償トランザクション(取り消し処理)を実行して一貫性を保ち、分散トランザクションを実現します。1年までの長時間実行や人手の承認待ち(コールバックパターン)はStandardワークフロー、短時間・高頻度・冪等な処理はExpressワークフローが向きます。

要件選択理由
内容に応じて複数アカウントへ配信EventBridge(クロスアカウントバス)パターン一致のルーティングとアーカイブ再生
数百万のサブスクライバーへ即時通知SNSファンアウトとモバイルプッシュ
処理速度差を吸収・順序保証SQS(FIFO)メッセージグループ単位の順序と重複排除
複数消費者・再読込み・大量ストリームKinesis Data Streamsシャード単位の順序と保持期間
分岐・補償・長時間の処理Step Functions StandardSagaパターン、最長1年、コールバック
試験ポイント 「マイクロサービス間のトランザクションで途中失敗時にロールバックしたい」はStep FunctionsのSagaパターン、「アカウントごとのイベントを集約して監査・分析したい」はEventBridgeのクロスアカウントバス、「処理に失敗したイベントを後から再処理したい」はEventBridgeのアーカイブと再生またはSQSのデッドレターキュー、が典型的な対応です。Lambda同士を直接呼び合う設計は密結合として誤答になりやすい点にも注意しましょう。

チェックリスト

  • EventBridge・SNS・SQS・Kinesis・Step Functionsを「配る・ためる・進める」に分類できる
  • クロスアカウントのイベントバスに必要なリソースポリシーと構成を説明できる
  • SQS標準・FIFO・Kinesisの順序と消費モデルの違いを言える
  • Sagaパターンと補償トランザクションをStep Functionsで実現する方法を説明できる
  • StandardとExpressワークフローの使い分けを判断できる

まとめ

組織横断のイベント駆動設計は「配る(EventBridge)・ためる(SQS)・進める(Step Functions)」の3役割の組み合わせです。問題文の「順序」「再処理」「補償」「クロスアカウント」といった要件語からサービスを選びましょう。

クイズで理解度を確かめ、最新の出題範囲はAWS認定 公式ページで確認しておきましょう。

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