ハイブリッドとエッジの設計 Outposts・Local Zones・Wavelengthを要件から選ぶ
SAP-C02では「レイテンシ要件」「データを国外に出せない」「工場内の設備と通信する」といった、リージョンだけでは満たせない条件が提示されます。ここで問われているのはどこまでAWSを利用者の近くに持ち出すかという判断です。3つのエッジサービスを、選ぶ理由から整理します。
覚え方は「設置場所・レイテンシの桁・データの居場所」の3つの観点
Outpostsは利用者のデータセンター内、Local Zonesは大都市圏のAWS施設、Wavelengthは通信事業者の5Gネットワーク内、と設置場所が異なります。レイテンシは順に1ミリ秒未満、一桁ミリ秒、10ミリ秒前後が目安です。データレジデンシー(データを特定の場所から出さない要件)が絡む場合はOutpostsが第一候補になります。
AWS Outposts
AWSが設計したラックまたはサーバーを利用者の施設に設置し、EC2、EBS、S3 on Outposts、RDS、ECS、EKSなどを同じAPIで動かせます。使いどころは、製造ラインの制御システムのように工場内の設備とミリ秒未満で通信する必要があるケースや、金融・医療で「データは自社データセンターの外に出せない」と明記されているケースです。管理はAWS側が行うため、パッチやファームウェアの適用は自動化されます。運用上は、親リージョンへのサービスリンク接続が切れるとコントロールプレーン操作ができなくなる点を押さえておきます。
AWS Local Zones
大都市圏に配置された小規模なAWS拠点で、EC2やEBS、一部のマネージドサービスを利用できます。親リージョンとは高速な専用接続で結ばれています。使いどころは、動画のリアルタイム編集、オンラインゲーム、リモートデスクトップなど「利用者が都市に集中していて一桁ミリ秒の応答が欲しいが、自社設備は置きたくない」というケースです。Outpostsのような設置作業や初期費用が不要なのが利点です。
AWS Wavelength
通信事業者の5Gネットワーク内にAWSのコンピューティングとストレージを配置し、モバイル端末からの通信がインターネットを経由せずに到達します。使いどころは、スマートフォンのARアプリ、コネクテッドカー、遠隔操作のロボティクスなど「モバイル回線からの遅延を削りたい」用途に限られます。逆に、固定回線からのアクセスが中心ならWavelengthを選ぶ理由はありません。
| サービス | 設置場所 | レイテンシ目安 | 代表的な要件 |
|---|---|---|---|
| Outposts | 利用者のデータセンター | 1ミリ秒未満 | データレジデンシー、設備連携 |
| Local Zones | 大都市圏のAWS施設 | 一桁ミリ秒 | 都市部の低遅延アプリ |
| Wavelength | 通信事業者の5G網内 | 10ミリ秒前後 | モバイル端末からの低遅延 |
| リージョン | AWSリージョン | 数十ミリ秒 | 一般的なワークロード |
チェックリスト
- 3サービスの設置場所とレイテンシの桁を即答できる
- Outpostsのサービスリンクが切断された場合の影響範囲を説明できる
- データレジデンシー要件に対する選択肢としてOutpostsを挙げられる
- Local Zonesで利用できるサービスがリージョンより限定される点を理解している
- CloudFrontのキャッシュで足りる要件と、コンピューティングの持ち出しが必要な要件を区別できる
まとめ
エッジサービスの選択は「どこに置くか」で決まります。設置場所とレイテンシの桁を対応付けて覚え、まずリージョンやCloudFrontで足りないかを疑うところから始めてください。 理解度の確認にはクイズが便利です。試験範囲や申し込みの最新情報はAWS認定 公式ページもあわせて確認してください。
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