BGPで経路を制御する ハイブリッド接続の優先度とフェイルオーバー設計
この記事は ANS-C01 を目指す方に向けて、Direct Connect と VPN が混在する環境での経路制御を整理します。試験では「通常はこちら、障害時はあちらを通したい」という要件から、どのBGP属性をどちら向きに操作するかを選ばせる問題が出ます。
覚え方は3つの観点です。AWSから拠点へ出ていく経路・拠点からAWSへ入ってくる経路・そもそもの優先順位ルール。方向を意識しないと必ず混乱します。
AWSが経路を選ぶ順番
AWS側が同じ宛先への経路を複数受け取ったとき、まずより長いプレフィックスが優先されます。同じ長さなら、Direct Connect が VPN より優先されます。それも同じなら、AS_PATH が短い経路が選ばれます。つまり「10Gbpsの専用線を主、VPNを予備にしたい」という要件は、両方から同じプレフィックスを広報するだけで自動的に満たせます。追加設定を求める選択肢は疑ってかかりましょう。
拠点へ向かう通信を制御する
AWSから拠点へ出ていく通信の経路は、拠点側が広報する内容で決まります。使いどころの例として、東京と大阪の2拠点それぞれからDirect Connectを引き、通常は東京を使いたい場合、大阪側の広報にAS_PATHプリペンドを付けて経路を長く見せます。より細かく分けたいときは、東京から24ビットで、大阪から16ビットで広報し、プレフィックス長で優先度を作る手もあります。
AWSから出る通信を制御する
逆に拠点からAWSへ入る通信は、AWSが広報するVPCの経路をどう扱うかで決まります。AWS側で調整したい場合は、Direct Connect のパブリック仮想インターフェイスやトランジット仮想インターフェイスに対してBGPコミュニティを付け、伝搬範囲や優先度を制御します。7224:7100、7224:7200、7224:7300 のローカル設定コミュニティは、値が大きいほど優先度が高くなります。
| やりたいこと | 操作する側 | 使う属性 |
|---|---|---|
| 専用線を主、VPNを予備にする | 設定不要 | AWSの既定の優先順位 |
| 複数拠点のうち特定拠点を優先 | 拠点側の広報 | AS_PATHプリペンドまたはプレフィックス長 |
| AWSから出る経路の優先度を変える | AWS側のVIF | ローカル設定BGPコミュニティ |
| 広報範囲をリージョン内に限定 | AWS側のVIF | スコープ用BGPコミュニティ |
チェックリスト
- AWSの経路選択順序を3段階で言える
- 専用線とVPNの主予備構成に追加設定が不要な理由を説明できる
- AS_PATHプリペンドが効く通信方向を答えられる
- ローカル設定コミュニティの3つの値と優先度の関係を覚えている
- 広報経路数の上限とその対策を説明できる
まとめ
BGPの設問は、要件を「どちら向きの通信か」に翻訳できれば半分解けています。方向を決め、対応する属性を選ぶ。この2ステップを徹底してください。
理解を確かめるにはクイズで腕試しを、最新の出題範囲はAWS認定 公式ページで必ず確認してください。
ANS(高度なネットワーキング) におすすめの教材
AWS認定 高度なネットワーキング−専門知識(ANS-C01)完全対応テキスト
要点整理から攻略する AWS認定 高度なネットワーキング−専門知識
AWS認定ANS(ANS-C01)実践問題集(図解付き・220問)
AWS認定ANS 演習テスト(日本語)
本セクションにはAmazonアソシエイト・Udemyアフィリエイトのリンクが含まれます。