IPアドレス設計の実務 CIDR枯渇とIPv6対応にどう備えるか
ANS-C01では、VPCの作り方そのものより「後から効いてくるIPアドレス設計」が問われます。拠点やアカウントが増えたときのアドレス重複、サブネット枯渇、IPv6への移行は、実務でも試験でも避けて通れないテーマです。
覚え方は「重ねない・枯らさない・広げられる」の3つの観点です。将来のオンプレミス接続やアカウント追加を見越して重複を避け、拡張余地を残し、必要ならIPv6へ広げられる設計にします。
重ねない:アドレス空間の一元管理
VPC同士をピアリングやTransit Gatewayで繋ぐには、CIDRが重複していないことが前提です。組織が大きくなるほど、アカウントごとの自由な採番は破綻します。複数アカウント・複数リージョンでアドレスの割り当てを統制したいならAmazon VPC IP Address Manager(IPAM)を使い、プールを階層化して部門やリージョンへ払い出します。IPAMは利用率の監視や重複の検出も行うため、枯渇の予兆を先に掴めます。
やむを得ず重複した環境同士を繋ぐ場合は、プライベートNATゲートウェイやNLBを挟んでアドレスを変換する構成が定番です。
枯らさない:サブネットとNATの設計
VPCには後からセカンダリCIDRを追加できますが、既存CIDRの縮小や変更はできません。最初にアベイラビリティーゾーン3つ分、かつ将来のEKS Podやコンテナ用に余裕を持たせておくのが実務の作法です。EKSでVPC CNIを使うとPodがVPCのIPを直接消費するため、想定の数倍のアドレスを要求する点は頻出の落とし穴です。
| 課題 | 対処 | 補足 |
|---|---|---|
| VPCのIPが不足 | セカンダリCIDRを追加 | 既存CIDRの縮小・変更は不可 |
| Podが大量にIPを消費 | プレフィックス委任またはセカンダリCIDR | 専用サブネットに隔離すると管理しやすい |
| NATの送信元ポート枯渇 | 宛先ごとにNATゲートウェイを分ける | 同一宛先への同時接続は約55,000が上限 |
| 拠点とアドレスが重複 | プライベートNATでアドレス変換 | 1対1のNATで双方向通信も可能 |
広げられる:IPv6への移行
IPv4の枯渇やパブリックIPv4の課金を背景に、IPv6対応の設問が増えています。VPCはIPv4とIPv6を併用するデュアルスタックが基本で、IPv6にはNATという概念がない点が要注意です。IPv6のインスタンスから外向き通信だけを許可したい場合は、Egress-Only インターネットゲートウェイを使います。IPv4のNATゲートウェイと役割は似ていますが、別のリソースであることを必ず区別してください。
チェックリスト
- IPAMのプール階層と払い出しの流れを説明できる
- セカンダリCIDR追加でできること・できないことを区別できる
- EKS VPC CNIによるIP消費とプレフィックス委任を理解している
- NATゲートウェイのポート枯渇とその回避策を説明できる
- Egress-Only インターネットゲートウェイの用途を即答できる
まとめ
IPアドレス設計は後戻りが効きません。「重ねない・枯らさない・広げられる」を初期設計で押さえておくことが最大の予防策です。仕上げに クイズ で知識を定着させ、出題範囲の最新版は AWS認定 公式ページ で必ず確認してください。
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