Transit Gatewayを使いこなす ルートテーブル分離とマルチキャスト
この記事は ANS-C01 を目指す方に向けて、Transit Gateway の応用的な使い方を整理します。基本の接続だけでなく、通信させたくない相手を確実に分離できるかが試験で問われます。
覚え方は3つの観点です。アタッチメント単位で考える・ルートテーブルで到達範囲を決める・関連付けと伝搬を分けて理解する。この3つが理解の核です。
関連付けと伝搬を分けて考える
Transit Gateway では、各アタッチメントが1つのルートテーブルに関連付けられます。これは「そのアタッチメントから出た通信がどのルートテーブルを参照するか」を決めます。一方伝搬は、そのアタッチメントの経路情報をどのルートテーブルへ載せるかを決めます。関連付けは1対1、伝搬は複数可能という違いを押さえると、設計の自由度が見えてきます。
本番と開発を分離する
典型的な要件は「本番VPCと開発VPCは互いに通信させず、どちらも共有サービスVPCとオンプレミスには到達させたい」というものです。使いどころに沿って組むと、本番用と開発用の2つのルートテーブルを作り、それぞれに自分たちのVPCと共有サービスVPCとオンプレミス接続の経路だけを載せます。共有サービス用のルートテーブルには本番と開発の両方を伝搬させます。こうするとVPC同士は経路を持たないため、セキュリティグループに頼らずルーティング層で確実に分離できます。
マルチキャストとアプライアンス連携
金融の市況配信や動画配信で必要になるマルチキャストは、Transit Gateway のマルチキャストドメインで実現します。使いどころはオンプレミスで動いていたマルチキャスト前提のアプリをそのまま移行したいとき。またアプライアンスモードを有効にしたアタッチメントは、同じフローの往復パケットを同じアベイラビリティーゾーンのアプライアンスへ送り続けるため、ステートフルな検査装置を挟む構成で非対称ルーティングを防げます。
| やりたいこと | 設定するもの | ポイント |
|---|---|---|
| VPC同士を通信させない | ルートテーブルを分けて伝搬を制御 | 経路がなければ到達しない |
| 共有サービスへは全員到達 | 共有用ルートテーブルに全VPCを伝搬 | 関連付けは各VPC側のテーブル |
| ステートフル検査を挟む | アプライアンスモードを有効化 | 往復を同じAZへ寄せる |
| マルチキャスト配信 | マルチキャストドメインを作成 | 対象ENIをメンバー登録する |
チェックリスト
- 関連付けと伝搬の違いを自分の言葉で説明できる
- 本番と開発を分離しつつ共有サービスへ通す構成を図にできる
- アプライアンスモードが解決する問題を説明できる
- マルチキャストドメインの用途を言える
- 分離の手段としてルーティングを第一に選ぶ理由を説明できる
まとめ
Transit Gateway は接続する道具であると同時に、通信させない道具でもあります。ルートテーブルの分割で到達範囲を設計できるようになれば、ANSのネットワーク設計問題はぐっと解きやすくなります。
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