バックアップと復旧の設計 RTOとRPOから方式を決める
この記事は SAA-C03 を目指す方に向けて、バックアップと復旧の考え方を整理します。試験では「何分以内に復旧」「何分前までのデータは失ってよい」といった要件が提示され、そこから適切な方式を選べるかが問われます。
覚え方は3つの観点です。どれだけ戻れるか(RPO)・どれだけ早く戻せるか(RTO)・いくらかかるか。この3つは必ずトレードオフになります。
RPOとRTOを数字で押さえる
RPOは目標復旧時点、つまり許容できるデータ損失の幅です。1日1回のスナップショットならRPOは最大24時間になります。RTOは目標復旧時間で、障害からサービス再開までの許容時間です。「データ損失は5分まで、復旧は1時間以内」という要件なら、日次スナップショットだけでは要件を満たせず、継続的なバックアップやレプリケーションが必要だと判断できます。
サービス別の使いどころ
AWS Backup
EBS、RDS、DynamoDB、EFS、FSx、S3 などを1つのバックアップ計画でまとめて管理します。使いどころは複数サービスにまたがる保管期間の統制が求められるとき。たとえば「本番のRDSは35日、EBSは14日、監査対象は7年」といった要件をタグ単位のルールで表現でき、バックアップボールトのロックを使えば規定期間中の削除を防げます。
RDSの自動バックアップとスナップショット
自動バックアップは最大35日保持され、その期間内なら5分単位の任意時点へ復元できます。RPO5分の要件はこれで満たせます。手動スナップショットは明示的に削除するまで残るため、長期保管や環境の複製に向きます。
クロスリージョンとクロスアカウント
リージョン全体の障害やアカウントの侵害に備えるなら、バックアップを別リージョンかつ別アカウントへコピーします。ランサムウェア対策として、削除権限を持たない別アカウントに保管する構成が近年よく問われます。
| 要件の例 | 適した方式 | おおよそのRPO |
|---|---|---|
| 日次で戻せればよい社内システム | 日次スナップショットと世代管理 | 最大24時間 |
| 数分前まで戻したいRDS | 自動バックアップによる特定時点復元 | 5分 |
| ほぼ損失を許さない基幹DB | Auroraのレプリケーションや別リージョンレプリカ | 1分未満 |
| 7年保管が必要な監査ログ | S3ライフサイクルとGlacier Deep Archive | 要件次第 |
チェックリスト
- RPOとRTOの違いを自分の言葉で説明できる
- AWS Backup でタグ単位のバックアップ計画を組める
- RDSの自動バックアップと手動スナップショットの違いを言える
- 特定時点復元で満たせるRPOのおおよその値を覚えている
- 別アカウントへのコピーがランサムウェア対策になる理由を説明できる
まとめ
復旧設計は数字から始まります。RPOとRTOを要件から読み取り、それを満たす最も安い方式を選ぶ。この手順を身につければ、バックアップ関連の設問は安定して取れます。
理解を確かめるにはクイズで腕試しを、最新の出題範囲はAWS認定 公式ページで必ず確認してください。
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